スクールで切り拓いた私の将来
雑貨ビジネスを学ぶ専門学校を卒業後、雑貨店に勤務していた三安さん。ディスプレイを任されたものの、自己流のやり方にこれでいいのか?と疑問を感じ、納得がいかなかったと言います。
「ディスプレイの基礎を1から勉強し、専門とする職業に就きたいと考えるようになりました。ちょうど仕事を辞めようと思っていた時期でしたし…。いろんな学校を調べるうちに、実技も多いJDCAに魅力を感じ、入学を決意。授業が週1回というのも私には通いやすく、福岡から上京しました」。
講師の先生はみなさんセンスがよくて、わかりやすく教えてくれるので、すべてが新鮮で毎週ワクワクしながら通っていたとか。また、同期はフラワーやインテリアなど、各分野ですでにプロとして活躍されている方も多く、たくさんの刺激を受けたと振り返ります。
「商品をどう目立たせて並べるか、という授業では、自己流との違いを実感しました。好きなものを見栄えよく並べても、お客さんには伝わらないんですよね。三角構成とか色づかいとか、お客さんの目を引く理論とテクニックをしっかり学べて本当によかったです」。
JDCAテクニカルレッスンの様子
卒業後、百貨店のデコレーターアシスタントを経て、デコレーターとして活躍している三安さんですが、デコレーターという職種を知ったのは、入学後。ディスプレイに関わる数多くの職種や職能に触れるなか、望む進路を見つけられるのもJDCAの特徴のひとつです。
「図面を引いたり、プレゼンテーションをしたりする授業は苦手でした。ところがフードの授業で、コーヒーに関する雑貨をディスプレイしたときは楽しくて。改めて私はディスプレイが好きなんだと、確認できました」。
何人かでチームを組んでひとつの空間を作り上げる授業や、ひとりでウインドウを仕上げる卒業制作を通じて、ショーイングすることに楽しさとやりがいを感じ、デコレーターの道を選んだ三安さん。以来4年間、デコレーター修業に励む日々を過ごしています。
現在、三安さんが担当しているのは、西武池袋本店のショーウインドウと、婦人服・スポーツの2つの売り場です。ショーウインドウのマネキンに洋服を着せ付けるほか、店内のVPやショーイングなども任されています。
「季節やテーマなどに合わせて用意された洋服や雑貨を、どういう構成にして、どう飾ろうか、考えるのが私たち、デコレーターの仕事です。デザイナーとも打ち合わせを重ね、イメージを共有して形にするので、イメージ通りに完成するとうれしいですね。何よりいちばんの喜びは、お客さんが足を止めて見たくなる、買いたくなるディスプレイになったときです。『マネキンが着ているブラウスの売り場はどこですか?』と、問い合わせがあったと聞くと、やったーと思います。少しでも売り上げに貢献できたと思うとうれしいし、ほっとしますね」。
婦人服とひと言で言っても、年代による好みはあります。例えば、マネキンにブラウスを着せるとき、裾を出すのか入れるのか。バッグはどんなものをどう持たせるかなど、トレンドを踏まえつつ、売り場のターゲット層に合った着こなしを考えて、マネキンを仕上げるのも、三安さんの腕の見せ所です。大きなショーウインドウは2週間に一度、各売り場は1週間に一度、商品替えがあり、その都度、トレンドや季節を敏感に感じ取り、ディスプレイに反映していきます。
現場でもJDCAで習得した技術は役立っており、三安さんがとくに印象深いと話すのが、テグスを使った宙づりディスプレイです。
「テグスの結び方や角度など、ここまで丁寧に教えてくれるところはないと思います。授業の動画を見返して、何度も復習しました」。三角構成のバリエーションも増えるなど、着実に実力をつけている三安さんは、「先輩に教わりながら、スキルアップしていきたいです」と、ますます精力的に取り組んでいます。