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GRADUATE'S
卒業生の紹介

西宮 紀子さん

16 期生 ライセンス取得コース卒業
日本ディスプレイクリエイター協会 正会員
株式会社オディー
ディスプレイデザイナー
東京都出身。32 歳。親御さんの仕事の関係で、長く海外で生活を送る。ロシアに住んでいた中学生のころ、ボリショイバレエを見たことがきっかけで舞台美術に興味を持つように。帰国後、舞台美術の仕事を経て、インテリアスタイリストの仕事に携わりながら、JDCA にて就学を始める。2015 年7月に株式会社オディーに入社。

卒業生に聴くディスプレイデザイナーへの転身STORY

 

舞台美術、インテリアスタイリストを経て、ジャパンディスプレイクリエイターアカデミー(J DCA)に入学した西宮紀子さん。昔から「背景」に興味を持っていて、美術館に行っても、絵そのもの以上に、周囲を飾る額縁を熱心に見ていたそうです。
「演者さんや商品といった見せたい主体をより輝かせるためには、どんな演出が適しているのかを考える。舞台美術も、インテリアのスタイリングも、そしてディスプレイクリエイターも、私にとって根本の部分は同じなんです」
2015年にJDCAを卒業後、株式会社オディーに就職し、今は化粧品のディスプレイツールのデザインや企画を担当。お客さまへプロモーション商品の陳列方法、商品を引き立てるための演出ツールや什器などのご提案をしています。
入社してもっとも心に残っているのは、ある香水ブランドを担当することになり、大手百貨店のメンズコーナーでディスプレイを手掛けたときのこと。実際に売場の様子を見に行ってみると、男性のお客さまがディスプレイの前を素通りした後に、再び戻ってきたそうです。店員が接客をし、最終的には商品を購入されたのだとか。
「実際は『ディスプレイ良くて目に止まった』というよりも、売場の雰囲気に誘われて無意識に立ち寄っていただけたのだと思います。それでも自分がお客さまのショッピング体験の一部を作ることができたのではないかと感じ、とてもうれしかったですね」
西宮さんの仕事のポリシーは、「何でもやってみる」こと。
「インテリアの仕事をはじめたときは、今より柔軟性が高かった気がします。しかしある程度の社会経験があると、過去の経験が邪魔してしまうことも。私はディスプレイクリエイターとして、まだまだ駆け出し。自分の固定概念にできるだけとらわれず、まずは挑戦することを日々意識しています」

扱う素材の選択肢が広がり売場に足を運んで日々勉強中!

現在の仕事ではディスプレイのための演出ツールや什器などを買いそろえ、必要に応じては自分でデザインして各業者に発注し、制作するそうです。「この会社に就職する前は、自分の手で扱ったことのある素材でしか、ものを作ったことがなかったんです。しかしオディーに入社してからは、お客さまのご要望に応じて、アクリルや金物、木工など幅広い素材を使うようになりました。選択肢が一気に広がった分、分からないことも多く出てきて。自社の先輩が作っているものを見て、『こんなことができるんだ』と学ぶことはもちろん、自分で売場に足を運び、什器見て『こういう加工ができる』と自分で勉強しています」
お店をめぐったときには、気になった什器をデッサンしてみることも。
「実はJDCA に通っていたとき、パースの授業で『ペンとスケッチブックをつねにバッグに入れて、感じたものを描くことを習慣にするように』とアドバイスをいただいたんです。実際に描いていくと細かく観察しなくてはいけないので、『ここにこの色があるのは、これを引き立てるためなんだ』とか、『これが手前にあるのは、奥のものを強調して見せたいんだな』とたくさんの気づきがあります」

 

舞台美術、インテリアスタイリストと幅広い経験を積んできました

西宮さんはイギリスの美術大学で舞台美術を専攻し、帰国後はアルバイトをしながら、さまざまな劇団の小道具や着ぐるみを制作していました。
「そのときに舞台美術にかかわっていた大工さんが『ウインドウディスプレイの仕事もやっている』という話を聞いて、ディスプレイの仕事にどんどん興味を持つようになりました。そして将来的なことを考え、このまま舞台美術の道を行くべきか悩んでいるとその方に相談したら、『一度会社員を経験した方がいい』とアドバイスをしてくださったのです」
大工さんが携わっていたウインドウディスプレイの仕事に興味を持っていた西宮さんですが、なかなか仕事は見つかりませんでした。そこでもう一つ関心のあったインテリアに的を絞り、家具の会社にインテリアスタイリストとして就職。自社製品を撮影する部門で、スタイリングを担当することに。
「自分が提案したことが形になっていくのを見るのがとても楽しく、やりがいがありました。ただ卸販売の会社だったので、お客さまの生の声に触れるチャンスはなかなかありませんでした」

 

本当にやりたいことは周りの人に宣言した方がいい

西宮さんはJDCA に通っていることは周りの人に伝えていて『いずれウインドウディスプレイの仕事をやってみたい』と、自分の思いを口にしていたそうです。「そうしたら以前アドバイスをくれた大工さんが、わざわざ『自分が紹介できる会社』を一覧にした手紙を送ってくださったんです。その中で、『最近取引があるところだけれど、すごく合うと思います』と紹介していただいたのが、現在の会社です」。
「ガツガツ活動を行っていたわけではありません」と語りながらも、JDCA を卒業して数か月後には入社と、とんとん拍子に進んだ西宮さんの転職活動。
「やりたいと心の中で思っているだけだと、具体化していきません。『こういうことをやりたい』と周囲に話してしまえば、『言ったからこそ、有言実行しなくては』という気持ちになりますし、話を聞いた人が『そういえばあの人はやりたがっていたな』と思い出してくれることも。その分、チャンスがめぐってくる機会が増えてくるのだと思います」

 

授業で得たことは実践し、体感するように心がけています

JDCA で印象に残っているのは、テクニカルレッスンの「VMD プランニング」と語る西宮さん。この授業はクライアントからの依頼内容をもとに、実際の商業施設(横浜ディスプレイミュージアム)のエントランスにある5つのVP ステージをグループごとにプランニングし、クライアントへプレゼンテーション、そしてプランを具現化します。
「以前は人前で話す機会がない仕事だったので、レッスンではプレゼンテーション役に自ら手を挙げました。人に分かりやすくアイデアを伝えるには、順序立てて説明するのが大切。それを意識しながら発表しました。この経験は、今の仕事でも生きていて、お客さまにメールでご提案する際も、『ここはあえて箇条書きにした方が分かりやすい』など、最適な伝え方を考えながらまとめるようにしています」
また「フードVP テクニック」のレッスンでは、フード業界のトレンドと最新店舗を具体的に解説してもらったことがとても興味深かったそうです。
「紹介された店舗はほとんど実際に行ける場所だったので、すぐに『最先端のショップを巡るツアー』を企画し、同期のメンバーと行きました。レッスンで聞いたことについて、実際に五感を使って体験したことは思い出深いです。見て聞くだけではなく、体験してみることの重要性を今でも大切にしています」