新しいつながりから、新しい人生もスタートしました
小さい頃から絵を描くことやモノ作りが大好きでした。大学では文学部日本文学を専攻していましたが、それでも、アート、デザインという「モノ作り」への興味と情熱は冷ますことができなかったんですね。そこで、大学に在籍したままデザインの専門学校にも入学し、グラフィックデザインを学びました。
大学を卒業した後は、パッケージメーカーに就職し、夢中でパッケージデザインの仕事をしていました。それから10数年後、たくさんの経験を積んでフリーランスになる決意をしました。
デザイン依頼をいただくクライアントさんからは、新しくデザインした商品をよりアピールする見せ方や陳列方法など、まさにディスプレイに関するアドバイスを求められることがよくありました。パッケージデザインは、ディスプレイと密接な関係にある。それは、フリーで働きはじめてから、いっそう強く感じるようになりました。その時に、自信をもってきちんと答えていきたいという思いに強く駆られ、また、ディスプレイを知ることで、パッケージデザインの仕事の幅が広がるのでは、との思いから、すぐにディスプレイについて学べる場を探し始めました。
ディスプレイを学べるスクールはそう多くはありませんでしたが、JDCAを知ったとき、すぐココに決めました。まず、実店舗を使ってディスプレイを体験しながら学べるスタイルはJDCAにしかなかった。そして、短期集中型のコース内容も魅力でした。
実際にレッスンが始まって、まず驚いたのは、自分がいかにディスプレイを知らなかったかということです。今まで感性でやっていたことが、理論と結びついていくことが楽しく、また、それらの知識はすぐに仕事に役立てることができました。それまで、お客様に漠然と「こうすればいいですよ」という結論しか説明できなかったことが、ディスプレイ理論からきちんと確信を持って説明できる。お客様からの信頼を得られるのはもちろん、自分自身も楽しみながらプレゼンテーションできるようになりました。
JDCAでの講師との出会い、そして、同期生たちとの出会いは、仕事の幅を広げ、新たな分野でのチャンスも与えてくれました。
もともとデザイナーの他にやってみたいと思っていた職業が教師で、大学では教員免許も取得していました。しかし、デザイナーになった私にはもう縁のない仕事・・・。ところが、JDCAの同期生に思いがけず講演の仕事を紹介していただき、忘れていたもうひとつの夢を思い出しました。
そして、JDCAの素敵な先生方との出会いが「私もJDCAの先生のようになりたい」という具体的な目標になりました。ディスプレイの現場で現役で活躍されている先生方は、それぞれ個性的な講義をしてくださり、毎週の授業がとても楽しみでした。また在学中はもちろん、JDCAの卒業生と北条さん卒業後も親身になって相談にのり仕事を超えて接してくださる先生方は、まさに憧れであり目標です。
こうして、JDCAで身につけた知識、講師の方々や同期生との出会い。それらが講師という、また新たな仕事にも導いてくれました。
今後は、JDCAで出会った方々も含めていろいろな方とのコラボレーションをしていきたいと思っています。最近は卒業生でフラワーアレンジャーの方たちと協力してディスプレイの仕事もしています。ひとりでできるディスプレイでは、仕事の幅を限定してしまいますから、今後はそういった協力関係が不可欠です。
1+1が2ではなくて3にも4にもなっていくのがとても楽しいです。今まではパッケージデザインをはじめグラフィックツールから、ディスプレイまでをすべてひとりで手がけていましたが、今後は「ショップアートディレクター」としていろんなジャンルの方たちの個性を繋ぎ合わせて、さらに作品の完成度を高めていきたいと考えています。(2009年 6月)