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GRADUATE'S
卒業生の紹介

伊藤 実英さん

ディスプレイデザイナー
18期生
イベント美術ディレクター・内装仕上げ職人・デコレーターを経て、現在は1 児の母となり息子と共に人間力を修行中。造ること・働くこと・旅することが大好きなオールラウンドクリエイターです。VMD 理論を取り入れたクリエイティブなディスプレイを武器に店舗VP、ストアショーイング、プロモーションデザイン、セミナー講師などとして活動中。JDCA での学びが役立ち、活躍の幅は広がりました。好きな場所は、コンテンポラリーアートギャラリー。

VMDを学んでさらなる飛躍を期待

デコレーターとして順調にキャリアを積んできた、伊藤美英さん。ディスプレイの現場経験は豊富ながら、VMDに関する勉強不足を実感し、基礎から学んでレベルアップしたいと、ジャパンディスプレイクリエイターアカデミー(JDCA)への入学を決意。卒業後はVMD理論を取り入れたクリエイティブなディスプレイを武器に、マルチに活躍しています。ディスプレイクリエイターとしての足跡とJDCAでの学びについてうかがいました。

グラフィックデザインの専門学校に通いながら、毎日目にする伊勢丹新宿店のウインドウに惹かれ、ディスプレイの世界を目指すようになった、伊藤さん。
専門学校を卒業し、語学留学などを経て就職したのが、イベント美術の会社でした。化粧品系列のディスプレイを多数手がけていたのが、決め手になったと振り返ります。最初に配属されたのは、制作・施工の現場。パソコンも得意だったのでデジタルを使った制作も任されたそうですが、「職人さんたちから、力仕事もいろいろと教えてもらいました。内装の仕上げをすることもあったんです」。
それから3年後には、営業兼設計・デザインの部署に異動。ときには経理の仕事も担当するなど、ディスプレイに関わる業務をひと通り覚えられたのは、少数精鋭のこの会社のおかげだと言います。とはいえ、30歳という節目を迎え、昼夜を問わずに働く不規則な生活に一区切りをつけたいと退社し、フリーランスの道へ。

その後の仕事も順調で、百貨店のディスプレイを手がける仕事などが舞い込み、デコレーターとして充実した時間を過ごしていました。やがて結婚し、出産。伊藤さんは、仕事のペースを緩やかにします。子どもが2歳になったころ、「現場仕事は数多く経験してきたけれど、私はVMDのことをあまりわかっていない。座学的な学びを深めることでレベルアップができたらいいな…」という考えが頭に浮かんできました。新しい挑戦の始まりです。
それから、インターネットで検索してJDCAを知り、無料の授業体験セミナーにも参加。まずは基礎を学ぶ「チャレンジコース」を受けてみようと、入学を決めます。

信頼し、助け合える
仲間と出会い、深まる絆

知りたかったVMDの座学の印象は強烈で、内容の豊富さと覚えることの多さに圧倒されたと言います。「課題も多くて大変でしたが、テキストと何度も向き合いながら取り組むことで、基本をしっかりと頭に入れることができました」と、手ごたえを口にします。
実践さながらの授業も多く、グループワークを重ねるうちに、同期との信頼関係も育んでいきました。

「同期には、お花がすごく上手な人、設計が得意な人…というように、各分野のプロフェショナルが多くいました。さらに年代も20~50代までと幅広く、刺激に満ちていました。お互いに情報交換し、技術を教え合ううちに仲よくなり、素晴らしい仲間ができたことは、私の宝物です。卒業後も仕事の相談やお願をし合う間柄で、良好な関係が続いています。人脈が広がったのもうれしいですね」。

デザインから自由に描く
卒業制作が大きな自信に

意欲あふれる仲間ともっと学びを深めたいと、伊藤さんは「キャリアアップ」「ライセンス取得」の各コースに進みます。そして、ウインドウを使った卒業制作では、見事に大賞を受賞しました。そのときの共通テーマは「クリスマス」。ディスプレイのテーマなどは自由で、デザインから設計、プレゼンテーション、制作、設置、ショーイングまで、全工程を一人で取り組む、総仕上げです。
「これまで私が手掛けてきたデコレーターの仕事って、与えられたデザインを具現化する感じでしたから、自由にデザインから考えるという、文字通りゼロからのスタートは初めてのこと。本気で取り組んで出し切ろうと思いました。仲間からの刺激もあり、楽しかったですね」。
 卒業後もデコレーターとして活躍を続ける伊藤さんは、「住宅展示場のシーズンごとのディスプレイを、プランから提案してほしいなど、空間デザインを考えるところからの発注も増えています。VMDを取り入れた売り場作りも手掛けるようになり、ステップアップを実感しています」と、照れながら話してくれました。

目標は常にもちながら
柔軟に今の仕事を楽しむ

そして今、伊藤さんは企業のコンサルティングに関わるプロジェクトなどにも加わり、新しいフィールドへと活躍の舞台を広げています。
「子育てしながら働けるのは、夫の協力があるからです。ときには家事に手を抜くことも。仕事の時間は限られますが、なんとかなるものです」と、気負いはありません。
仕事も子育てもしなやかに楽しんでいるように見える伊藤さんですが、心のなかでは「それはできない」と、言いたくなる自分との葛藤がいつもあるそうです。自分にできることを頑張ろうと気持ちを切り替え、でき上がった達成感が、次への原動力になっていると話します。
最後に、そんな伊藤さんからディスプレイクリエイターを目指す方へのメッセージを寄せてもらいました。
「例えば、デザイナーになりたいと思って、それしかやらないと決めてしまうと、その道が続きにくいように思うんです。私自身、広く浅くではありますが、いろんな経験をさせてもらい、それがミックスされて、自分の糧になっていると感じています。やりたいことと少しずれている仕事でも、経験することでクリエイターとしての引き出しが増え、自分の強みになっていくと思うんです。目標を変えずに、流れがくるまでやり続けてみませんか」。