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GRADUATE'S
卒業生の紹介

三上 正彦 さん

●期生/ライセンス取得コース(プロフェッショナル養成コース)卒業
ディスプレイクリエイター
ホームステージングコーディネイター

不動産物件の価値を高め、リアル感を演出。 VMDがホームステージングの可能性を拓く!

不動産物件の価値を高めるホームステージングの重要性は、近年ますます高まっています。街の不動産会社に23歳で入社して以来、不動産業界一筋20 年の三上正彦さんも、その果たす役割の大きさを痛感しているひとりです。6年前には、仲介業とホームステージングを事業の2大柱と決め、不動産会社を創業。ホームステージャーとしてのキャリアを重ねた三上さんが、学びを深めるためにJDCÁ に入学したのはなぜか。そこで得られたものとは?を交えながら、ホームステージングコーディネイターとしてますます活躍の幅を広げている三上さんに、ホームステージングの魅力についても熱く語っていただきました。

売れなかった担当物件が、ホームステージングを施工し、3週間で契約成立!

不動産会社の経営者である一方、ホームステージング部門の責任者としての顔ももつ、三上正彦さん。まずは、ホームステージングとの出合いから語っていただきましょう。「23歳で街の不動産会社に就職し、売買専門の不動産会社に転職したり、管理部門を任されたりして、不動産一筋で20年間、経験を重ねてきました。会社を独立するきっかけにもなった出来事ですが、当時、担当していた新築戸建ての物件が1年ほど買い手もつかず、どうしようかと思いあぐねていたんです。そのとき、たまたまホームステージングを取り上げていたテレビニュースを見て興味をもち、週末に開催された講習会に滑り込ませてもらいました。その後、ポケットマネーで担当物件にホームステージングを施工してもらったら、運よく3週間で契約に至ったんです。この体験から、アメリカから日本に上陸したばかりのホームステージングに可能性を感じ、会社設立へと動き始めました」。自社が扱う不動産物件にホームステージングを施すことで、お客さんに物件の魅力や価値が伝わりやすくなり、売買契約までの日数も早くなりました。その実績から現在、同業他社が扱う不動産物件のホームステージングまでも手がけるようになっています。「当社の強みは、ホームステージングのプランニングから仕入れ、家具や小物の搬入、組み立て設置、管理までほぼすべてを自社で内製化し、施工していることでしょうね。すべての物件を、私がプロデュース的な立場で担当し、細かい部分を信頼できるスタッフ(有資格者)が担ってくれる社内分業体制です。ホームステージング事業者で、ここまで徹底しているところは恐らくないのではないかと思います」。

軌道に乗ったときこそ、成長する好機と捉え、迷わず踏み出す

ホームステージングの資格をもち、事業も軌道に乗っているなか、三上さんはなぜ学びを深めようと思ったのでしょうか。さらには、JDCA を選んだ理由など、真意を伺ってみました。「社内スタッフとの連携もスムーズにできるようになったので、私自身がホームステージングをもう少し深掘りしていきたいと思うようになったんです。小物などの仕入れで横浜ディスプレイミュージアムさんはよく利用していて、そこでJDCA のパンフレットも目にしました。ホームステージングコーディネイターという新しい資格を取得できる「ホームステージング実践講座」が、ちょうど始まるタイミングだったというのも大きな後押しとなりました。横浜ディスプレイミュージアムさんの店舗は最先端のディスプレイに加え、トレンドの商品が豊富にあるんです。それをダイレクトに使って教わることが、自分にとってはいちばんの近道だし、チャンスだと感じました。迷いはなかったですね」。とはいえ、週に1度の通学が約1 年続きます。仕事に支障はなかったのでしょうか。「完全に仕事のアポイントだと思ってスケジュールを管理しました。1回くらいは曜日を振り替えてもらったかもしれません。そういうフォローがあるのも学びやすいですね」。

ホームステージングの可能性を広げる、VMD理論との出合い

JDCAで学んだいちばんの手ごたえは、VMD理論との出合いとおっしゃっていますが、ホームステージングにどう関わってくるのでしょうか。「私もVMD理論という言葉をJDCAで初めて知りました。物件のよさを引き立て、より早く売買するために必要なホームステージングのノウハウは知っていましたし、実践してきましたが、不動産業界にVMD理論という発想はまったくなかったですね。例えば、レッスンでは、回遊率を上げるための知識とかテクニックも教わるんです。お客さんが部屋の内覧をされるとき、回遊しやすくなる仕掛けを作ると滞在時間が上がるんです。すると、営業担当はお客さんとの接点が増えて、販売につながる確率も上がります。また、不動産物件をこういう風に飾ると、こういう効果があります、ということをしっかり言葉で説明できるようになったことも、私の強みになりましたね。プレゼンボードの制作の仕方を学ぶレッスンなどもあり、クライアントさんへの説得力が増したのは、大きな成果です」。実際に三上さんのビジネスの現場では、ポイントを押さえた企画書を作成できるようになったことで、クライアントさんとのメールでのやり取りの回数は減り、「あの企画書はわかりやすくて、なぜホームステージングが必要なのか、よくわかりました。三上さんの提案でぜひお願いします」と信頼が増していると話します。住空間だけにとどまらず、商空間を活用したVMD について学んだことを生かし、店舗のステージングも手掛けたところ、売り上げは増加。「不動産は住宅だけではなく店舗も扱うので、活躍の幅が広がりましたね。インテリアコーディネイトとか、什器プランニング、施工まで提案できるようになり、仕事の幅も質もアップしました」と、三上さんは手ごたえとともに自信をのぞかせます。

苦手意識のあったフラワースタイリングの技術も習得し、強みへと進化

さらに、もうひとつ、三上さんに大きな変化がありました。JDCA で初めてフラワースタイリング&ディスプレイのレッスンを受け、自分でもフラワーができるようになったことです。「私にフラワーのスタイリングはできないと思って、これまで手がけていなかったんです。授業にあったから、やらざるを得ない(笑)。そしたら、できるようになっちゃったんです。これまではスタッフに任せるか、既製品を買ってきて対応するか、そのどちらかだったんです。イメージと多少違っても割り切っていましたが、今では思い描いたものがなければ、自分で作ればいい。これは嬉しいですね。JDCAでは、プロップスの制作も習うので、あったらいいな、と思うものが自在に作れるようになりました」。ほかにパースの授業ではデッサンと出合い、絵を描くことの楽しさにも目覚めたと楽しそうに話す、三上さん。気分転換に絵をよく描くようにもなったとか。カリキュラムの内容だけでなく、先生や受講生たちとの出合いも大きかったと目を輝かせます。ディスプレイの現場で役立つことを、惜しげもなく教えてくれる先生方の度量の大きさに感動し、ホームステージングの現場でも生かせていると言います。受講生の方とは今でも繋がりがあり、ホームステージングの現場を手伝ってもらうことも。「和室のある物件は和室が得意な方に、こういうリゾート物件だったら、この方にお声がけしてみようとか。1年近く一緒に学んだ仲間なので、得意なことを生かしてもらえる現場を提供でき、喜んで実力を発揮してもらえていて、嬉しいです。それもJDCA に入学したお陰ですね」。

魅力あるリアルな暮らしを提案する、大変さとおもしろさが醍醐味

ところで三上さん、ホームステージングの醍醐味って、何ですか。また、お仕事をされる上で大切にされていることがあれば、ぜひ知りたいです。教えてください。「不動産物件の価値を高め、引き立てるのが、ホームステージングです。モデルルームとはまったく違うんです。モデルルームは憧れの暮らしというか、非現実的なところもありますが、ホームステージングには、もうちょっと生々しいリアルさがあり、じつはそこに需要があるように感じています。醍醐味は何と言っても、一生懸命プランを考えてデザインした提案が採用され、きっちり妥協せずに実現できたときですね。わが社ではありがたいことに物件を購入されたお客さんが、設営した家具をそのまま買い取って使われる方々がほとんどなんです。一度、家具の部品が足りないというクレームがあり、即日対応した際に、住み心地や使い勝手のよさについてだったり、内覧時の演出されている物件に感じた印象だったりをお客さんから直接伺うことができて、嬉しかったですね」。毎回、施工後には納品写真を撮影するのも、ホームステージングの仕事の一部。三上さんは、それとは別に、自分用の撮影会も行っていて、その時間も楽しみのひとつ、と話します。どういうことでしょうか。「納品写真は不動産物件が主役で、空間にこういう家具を置いたり、小物を合わせたりすることで、より空間が映えることをクライアントに伝えるもの。大事な仕事のひとつですが、それだけだとちょっとつまらない(苦笑)。クライアントからの要望にしっかりと対応しながら、毎回、自分だけの裏テーマを決めて楽しんでいるんです。個人的にこだわった小物とか、空間とか、私にしかわからないものや空間を「かわいい~」と言いながら、撮影し、ストックしています。仕事全体で考えると重要度は低いかもしれませんが、そういうところにこだわることで、全体の完成度も上がってくると思うんです」さらにコロナ禍を経験し、不動産業界にも大きな変化があったようです。「オンライン内覧が一気に増えました。携帯やPCの画面越しに内覧するため、家具が室内に実際に入っていると、お客さんへの説得力はかなり違いますね。バーチャルでは伝えられない、ホームステージングならではの強みと言えます。コロナ禍を経験して、ホームステージングはますます求められているように感じます」。さらにホームステージングは、企業側のイメージ向上にもひと役買っているのだとか。ネット上で内覧するとき、玄関やテーブルの上に花が飾ってあるなど、さりげない気配りをしている不動産会社はお客さんの印象に強く残るらしく、好感度の高い社名から物件を検索するお客さんもいる、と三上さんは教えてくれました。

ホームステージングコーディネイターを目指す方へ

忙しくても物件ひとつひとつに愛情をもち、誠意をもって仕事を行う三上さん。いったいどんな方なのでしょうか。素顔が知りたくて、カバンの中を見せていただきました。大きなバッグから取り出し、見せてくれたのが、バッグインバッグ。名刺入れ、手帳、通帳、財布、家のカギなどが整然と収納されています。「整理上手ですね?って、そんなこと、ないんです。昔は苦手でしたが、仕事を効率的に進めるために、こうなりました。必要なものを定位置に納めていないとすぐに取り出せないから、探す時間がもったいないんですよ。バッグを変えても、これを入れ替えるだけで安心してどこにでも行けるから便利。お会いする方や目的に合わせて服装やバッグは変えています。人と会う仕事なので、ファッションはすごく大事だと考えています」。JDCAでの学びや人との出合いに大いに触発された、三上さん。今後の展望と、JDCA の先輩としてこれから学ぼうとされる方に向けて2つのアドバイスを話してくれました。まずは、展望からです。「JDCAで学ぶ方って、みなさん個性的ですし、資格をもっているから、フリーランスで活躍されたい方が多いことを実感しています。それなら、ディスプレイクリエイターさんたちが、より活躍できるような組織を作りたいと思ったんです。私の強みであるホームステージングで、みなさんと一緒にお仕事ができるような仕組み作りを、というのがこれからの展望です」。そして、これから学ぼうとされているみなさんへ。実体験も踏まえて、学ぶ姿勢について語ってくれました。「感度を常に高くもち、興味をもって街やアート、商品などを見ることがインプットにつながると思うんです。それを自分なりの解釈を加えて、実現可能なデザインとしてアウトプットすることが大切です。この2つが、かみ合うと仕事はぐんぐん楽しくなってくると思いますし、私自身も実感していることです」。感度を高くもつって、なんだか難しそうです。どうしたら、いいでしょうか。「ディスプレイって、生きているものなので、流行があります。流行を求められる商業施設と違って、住空間では無理に流行を追う必要はないんですが、日々進化することに敏感であることは意識したほうがいいと思います。コーディネイトが古いと思われることは避けたいですが、ホームステージングの場合は、新しすぎると先鋭的になりがちで、個性的すぎると受け入れられにくいので、バランスが大事ですね。私自身、JDCAで学ぶことで、街のウィンドウディスプレイの見方が変わりました。何気なく見ていたショーケースの構図や制作物などに興味が出てきて……。学んで知ることで、視野は広がっていくんですね。専門のスキルを学びたいなら、信用できるスクールに通う意義は大きいと感じますね」。最後に、ホームステージングコーディネイターという職業を目指す方へ、熱いメッセージを寄せてくれました。「キラキラしたプランニングだけの仕事ではないことを強くお伝えしたいですね。丁寧に養生をした後に家具などを搬入し、組み立てから設置まで結構な肉体労働が続きます。それでも自分が考えたデザインがカタチとなったとき、物件は間違いなく素敵になっています。独りよがりのデザインではなく、全体を意識してあくまでも自然であること、何より物件が引き立つことを意識したデザインを心がけてください。そのうえでコストや納期、すべてを調整し、最大限のサービスを提供できるコーディネイターになれたらいいですね」。