ディスプレイの楽しさと難しさを前職で体験しました。
もともとお花のアレンジをやっていましたから、アーティフィシャルフラワーは大好き。フラワーデザインを勉強するために花屋でアルバイトをしたり、カラーコーディネイターの資格を取ったりしました。
前職は営業職だったのですが、ある時、百貨店に作品を飾る機会がありました。それがディスプレイとの出会いです。その時の仕事は予算の都合でプロにお願いすることができず、自分たちでディスプレイせざるを得ませんでした。「作品をただ置くだけ」だと簡単に考えていましたが、実際にやってみるとどこかあか抜けなかったり、作品が目立たなかったり。基本理論の必要性を痛感しました。
現在は、ディスプレイクリエイター/パーソナルカラーディレクター/フラワーデザイナーという肩書きで活動しています。主な仕事は、商業空間のコンサルティングやスタッフの研修講師。商業空間と人とをトータルでプロデュースする仕事です。
そこではまず、お店のディスプレイはもちろん、そのお店で働くスタッフのメイクや服装、身につける色と空間との調和など、その空間に存在するもののトータルコーディネイトについてアドバイスしています。
さまざまな知識や技術を覚えたあと、最後の「卒業制作」は、楽しかった!
デザインからトータルで作り上げて行くからやりがいもありましたし、完成したときには、達成感もひとしおでしたよ。
もちろん途中には難しい授業もありました。例えば「パース」。これまでやったことのないモノに取り組むのですから、最初は途方に暮れました(笑)。でも、先生が「技術よりも個性を活かして!」とアドバイスしてくださって、それに勇気づけられて。回数を重ねるごとにだんだん楽しくなってきたし、楽しみながらやるから自然と上達もしました。
そのほかの授業でも何度か先生に褒められた「色」の感性は、今では自分の個性だと思っています。自分の長所を見つけていただいたので、現在の仕事にもそれをどんどん活かしていくようにしています。
ディスプレイクリエイターの仕事は、『空間にドラマ性を持たせること』がいちばん重要だと思っています。例えば、お花を飾るだけなら花屋さんやフラワーアレンジャー、フラワーデザイナーができる。でも、ディスプレイクリエイターなら、そこにストーリー性を生み出すことができるのです。実際、私が店舗に対するコンサルティングやプロデュースをする際にも、「空間全体がよりドラマティックになるように仕上げます」とお伝えしています。 ディスプレイは、私にとって、知れば知るほど奥深くて楽しいもの。クライアントさんごとにディスプレイに対しての意見や見方は多種多様ですし、求めているものも異なります。ですから、私は、その個々のニーズを踏まえたうえで空間に命を吹き込むことを常に考えて、仕事をさせていただいています。