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GRADUATE'S
卒業生の紹介

酒井 祐美子さん

16期生
ライセンス取得コース卒業
日本ディスプレイクリエイター協会 正会員 
株式会社サンクゼール
店舗サポート部 新業態開発課 課長
長野県出身。32歳。学生時代に何度か訪れ、ホームスティも経験した、デンマーク。部屋の作りとか、お店のウインドウとか、空間作りに惹かれていたことを、当時の写真を見返して気づいたと話す。デンマークの空港に降り立った瞬間、我が家のような居心地のよさにに感銘を受け、いつか病院や幼稚園など公共の空間づくりにも携わりたいと夢を語る。

卒業生に聴くプロジェクトリーダーとしてのサクセスストーリー

世界とつながれるクリエィティブな仕事を

学生時代は、語学が好きで、外国の文化やライフスタイルに興味があり、北欧のデンマーク語を専攻した酒井さん。就活時代に望んだのは、「世界とつながれるようなクリエィティブな仕事がしたい」だったと話します。地元・長野から世界基準の会社に成長しようとする「サンクゼール」の姿勢に共感し、入社を決意。
店舗での接客を経験し、配属されたのは、総務人事部。「世界との…」という夢はあったけれど、社会人としての未熟さを自覚し、次々と課される業務をこなすことで精いっぱいだった毎日に、第一の転機が訪れたのは、数年後のことでした。

ピンチがチャンスに!VMDとの出会い

語学が堪能なこともあり、酒井さんは貿易実務を担当することに。中国での食器の買い付けに同行し、帰国するやいなや、今度はその食器を国内の店舗でどう販売するか、販売計画を立てる責任者に任命されました。食器が入ってくるのは、3か月後。「どう売ればいいの?」。初めての経験に戸惑い、焦りを感じていました。
「それがちょうど入社5年目で、そのタイミングでアメリカ研修があったんです」
アメリカで酒井さんが向かったのは、キッチン用品ブランド「ウィリアムズソノマ」。店舗全体の空間演出、棚の陳列法、すべてに魅力に感じた酒井さんは、店舗全体に漂う共通点に気づき、店員さんに「どういう仕組みで、作られているんですか」と尋ねます。「ビジュアルマーチャンダイジング部署からマニュアルが送られてくるんですよ」という答えに驚き、初めてVMDという言葉を聞いたそうです。
帰国後にまとめた、VMDの視点を取り入れた研修レポートは好評で、社内中に回覧されたほど。「VMDは自分に向いているかも…」。胸の内で、そんな小さな確信を得たようです。JDCAのスクールを知ったのもそのころですが、長野から通う決断にまでは至りませんでした。

JDCAでの学びがもたらす自信と説得力ある言葉

VMDの勉強や販売促進を頑張ろうと思っていた矢先、またしても総務人事部に異動。それから1年半後、和のブランド「久世福商店」の立ち上げに伴い、「新業態開発室」という新部署ができ、やがて「MD本部」が誕生。「VMDのわかる酒井さんに来てほしい」という会社の意向で、商品を作る最前線へと舞い戻った酒井さん。バイヤーとしての手ごたえを実感しながら「VMDをもっと勉強したい。20代の今なら、長野から横浜まで通えるかもしれない」と、JDCAの入学を決意しました。
「レッスンに参加するたびに知識が増え、すぐに会社で実践できるのは、本当にありがたかったです。社内会議では、使う言葉が変わり、説得力が増したように感じました。ロジックを学んでいるから、自分に自信がもてるようになったと思います」

プロジェクトの総合リーダーに大抜擢!

その後、さらに大きなプロジェクトが待ち構えていました。
「私の仕事のいちばんの転機は、2013年9月に渋谷にオープンした商業施設「ヒカリエ」への出店でした」と、語るほど、酒井さんには重責がのしかかりました。1つの店舗プロジェクトを総合的に担当するのは、初めてのことだったのです。
従来のショッピングモールとは客層が異なる場所での挑戦は、スクールで学んだ棚の陳列法、什器の提案、回遊性をよくするゾーニングなど、さまざまな手法とアイデアを集結し、大成功を収めます。この体験で酒井さんは、「お店は、物、空間、人の3つの要素で構成されていることに気づいたんです。今でもその考えがベースになっています」と、力強く語ります。
そして、新設部署「新業態開発チーム」へと抜擢されるのです。商業施設出店に向けてのプレゼン資料作り、プレゼン本番、商品開発、人材育成など、活躍の場を広げ、実力を発揮するなかで、またしてもビッグプロジェクトが巡ってきます。

世界的な商業施設への出店プロジェクトリーダーに

それが、「GINZA SIX」出店のプロジェクトリーダーでした。出店が決まり、準備期間は残すところ1年となったある日、早朝会議が招集され、酒井さんはひとつの提案資料を持参しました。それが社長の目に留まり、「プロジェクトリーダーは酒井さんに」と、白羽の矢が立ちます。同時期に並行して「サンクゼール」をリブランドする話も決まり、「こんなに大きな仕事は、私には無理と思い、1か月くらい悩みました。四国のほうに逃げるように旅行に出かけたり。どうすればいいのか、わからなくて、JDCAの先生に相談をしました」
先生からの返信メールを読んで、自分ひとりで背負い込んでいることに気づき、気持ちがラクになったと言います。
先生からは、「リーダーは調整役だから、優秀なブレーンをどれだけ揃えられるかが大事。酒井さんが苦手なことは、得意な人に任せたらいいんだよ」というアドバイスを受けたそうです。
ブランドを見直して再構築し、新しくなった「サンクゼール」に、「GINZA SIX」のコンセプト、ラグジュアリー感を加えた店舗は、酒井さんの集大成といえる工夫とこだわりが随所に感じられます。店は連日大勢の人で賑わい、大盛況です。
アメリカ出張など、酒井さんの業務はますます多岐にわたり、後進の育成にもいっそう力を入れ始めています。

仕事での解決先が見つかり、自信をつけてくれた授業に感謝

授業で教わったことはすぐに実践できることが多く、仕事の解決策を見つけることもしょっちゅうでした。そんな私が、いちばん役立ったと感じているのが、プレゼンの授業です。クライアントへのヒアリングの進め方から始まり、スライドの文字の大きさ、まとめ方など、細かく的確に教えてもらえたことは、大きな自信となりました。
プレゼン資料を作るのは好きですが、人前で話すことはあまり得意ではありません。そんな私が、デベロッパーさんの前でも堂々とプレゼンできるのは、正攻法を授業で学べたからです。
スクールに通う前は、30代が目前。それなのに、自分の専門分野が見つからないという焦りもありました。
同期のメンバーは、もの作りが得意な人、デザインが得意な人というように、それぞれ得意なことが違います。同じ授業を受けているから、違いは歴然。他人と比較することで初めて、自分はプランニングやプレゼンが得意だし、それで人の役に立てることができると気づけました。
ひとつのプロジェクトを成功させるには、たくさんの職種の人が関わっています。苦手なことは得意な人に任せ、協力をしていく。そのことを知り、体験できたことが、私の不安を払拭し、プロジェクトリーダーとして背中を押してくれたと思います。