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MESSAGE
講師からのメッセージ

増田 木綿子

空間の息づかいまで伝える

パースに引寄せられた出逢い

わたしは当初、インテリアデザインや設計の仕事につくつもりで勉強をしていました。ところが面接に行った設計会社で、あるパースの画風にひと目惚れ!迷わずその会社のパース室に入社を決め、そこから私のパース人生が始まったのです。そこではパースの技術指導はもちろん、仕事に対して真摯に取り組む姿勢やリンゴの皮の剥き方まで(笑)・・・ゆくゆく私が独立して仕事ができるような配慮まで頂きながら、たくさんの事を教わりました。それはまるで、巣立ちするヒナに親鳥がたくさんの愛情をかけるような温かいものでしたね。私が今でもこの仕事を続けていられるのは、当時の上司の方々のおかげですね。本当に感謝しています。

空間の息づかいまで伝える

今の時代、パースはCGが主流となっていますが、私は今も手描きで描いています。これはゼッタイのこだわり。図面通りにきちんと仕上げることはもちろんですが、デザインのイメージや、その空間に流れる空気の色や香り、温度、癒しだったり緊張感だったり・・・。目には見えない〈空間の息づかい〉をパースに表現したいからです。この表現は授業でも大切な課題としています。自分の想像力を使って描いたものは、それを見る側の想像力をも動かします。そして自身の手を動かして絵を描けるということは、デザインを練り上げる作業の際も、またクライアントとの打ち合わせの際にも強みになります。息づかいを感じるパースは、デジタルなパースよりも伝える力が備わっているから、説得力があるのです。
この仕事の醍醐味は、自身の手で表現したパースが基となり、実際に完成した空間に立ち会った時!この感動と達成感が次への原動力となるんですよね。そしてJDCAでは、それを受講生のパースを通して仲間の講師と一緒に味わえるんです。ほんとうに、この仕事を続けていて良かった!と思える瞬間でもあります。

初心に戻れる絵本との出逢い

「アンジュール」ある犬の物語
ガブリエル・バンサン著 BL出版
この絵本は私にとって特別な思い入れのある1冊なんです。 言葉もなく、少し荒めの磨かれたデッサンで淡々と描かれている物語は、サイレント映画を見ているような気持ちにさえ陥ります。シンプルで無駄のない線で描かれた物語には、それを見る側の想像力も試される気がします。主人公の犬の風貌や生い立ちに、以前飼っていた愛犬が重なったこともあって、グングンと惹き込まれていったんです。この絵本を開くたびにデッサンのパワーを五感で感じ、いつも新鮮な気持ちを呼び起こさせてくれます。

ふでまめさん!

「筆まめさんしてる?」・・・私の挨拶のひとつにもなっています(笑)。 字に個性が出るように、絵にも(線にも)個性が必要だと思います。上手に、きれいに描こうとしているとつまらない!相手に自分を印象づけるくらいの自分らしいタッチで表現していく方がよっぽど大切です。私の最初の授業では、定規や着彩画材など使わずに、紙とペン1本だけで描く実習をしています。ペン1本と紙があれば、いつでもどこでも相手に伝わる絵が描けるようになります。浮かんだアイディアを、手帳にすらすらとスケッチ出来るスキルはクリエイターにとって大切であり、それができるとやっぱりカッコイイ!!「絵が苦手で・・・」と不安そうにしてる受講生に過去たくさん出会いましたが、卒業制作ではその人にしか描けないパースを見事に描き上げていて、いままでに何度も感動をいただきました! 卒業生のみなさん、今でも描いてますか?筆まめさんでいるのかな~(笑)