2025.12.17

ディスプレイの専門アカデミーとして20年の実績を誇るJDCAは、新たな挑戦として、台湾で花や資材を取り扱う企業(台中建南行花藝股份有限公司)と連携し、国際的な学びのプロジェクトをスタートしました。
今回の台湾でのコラボレーションは、双方の強みを活かし、日本で培った教育ノウハウと台湾市場のニーズを融合。JDCAが商標登録している【ホームステージングコーディネーター】のスキルを、基礎から3ステップで体系的かつ実践的に学べる特別カリキュラムとして進行しました。2025年6月に開講し、10月に修了した台湾でのレッスンの様子を、ダイジェストでご紹介いたします。

今回は受講生が台湾在住ということもあり基礎理論は、動画レッスン(自宅学習)とオンラインレッスンで学んでいだきました。
初めに、一定期間内でディスプレイコーディネートに欠かせない4つのカテゴリー「カラー」「フラワー」「グリーン」「インテリア」 を動画レッスンを各自で自宅学習。その後、動画で学んだ基礎理論をふまえ、オンライン中継によるライブレッスンを実施しました。JDCAオリジナルテキストとディスプレイキットを使いながらの進行は、画面越しでしたがキットを使ったディスプレイ構成を美しく完成させていたのが印象的でした。


JDCAの中でも主軸となるスペシャリストは、台湾(台中)で対面形式で実施しました。レッスンでは、基礎理解を深めたあと、講師によるデモンストレーションを通して、実際の手順や表現方法を視覚的・体験的に習得。そのうえで、設定されたテーマやスタイルをもとに、受講生自身がプラン制作とワークに取り組みました。


リアルレッスンならではの魅力は、何よりもその場で講師から直接アドバイスやサポートを受けられること。疑問点をすぐに解消できるだけでなく、プロの視点からの修正や提案が即座に反映されるため、学びの質が大きく高まります。また、実際に手を動かしながら、素材の扱い方や空間演出のニュアンスを体感できることも、対面ならではの大きなメリットです。


台湾でのレッスンでは、疑問があると納得できるまで質問を重ねる受講生が多く、通訳さんを通しての会話でしたが、常に活気に満ちていました。
質問が投げかけられるたびに、熱い会話が交わされ、ひとつのテーマを多角的に考える時間が自然と生まれたように感じました。
日本のレッスンでは、じっくり理論を積み上げながら理解を深める傾向がありますが、台湾では質問から会話が広がり、学びがより対話的で即興的に展開されるのが特徴。こうしたやり取りの中で、受講生それぞれが自分の視点や感性を確認しながら、コーディネーターとしての考え方を深めていく様子は新たな発見でもあり印象的でした。
文化や学び方の違いを感じつつも、でも共通するのは「学びへの探究心」。
短期間での理解や実践力の高まりを実感できる良い機会となりました
ライセンス取得に向けた学びの集大成は、業界の第一線で活躍する講師のキャリアを紐解きながら、実際の案件事例を通して、求められるプロとしての視点・判断力・表現力を学びます。そのうえで、想定されたマンション空間装飾提案を制作し提出します。この課題提出は、ライセンス取得に向けた重要な評価項目となるため、受講生一人ひとりが真剣に向き合い、細部までこだわりながら完成させました。
ライセンス取得後にすぐに仕事として活用できるように、ターゲット設定や空間分析、家具・装飾の選定、プレゼン資料の構成など、実務そのもののプロセスを体験的に習得できる課題です。
最終レッスンは、家具メーカーのリアルなショールーム空間を活用し、実際に販売されている家具の魅力を引き出し、来場者の購買へとつなげることを目的としたステージングを実施しました。今回は、各チームが事前に立てたプランをベースに、現場での検証をともなう実践的な空間演出に挑戦。スケールの大きなショールームは家具のサイズも大きく、家具の持つ世界観をより鮮明に伝えるため、演出する花や雑貨・小物を売り場から移動して演出。配色・照明・装飾のバランスを細かく調整しながら、コーディネートを完成させていきました。「どう歩けば自然と家具に触れたくなるか」「どの位置に視線が集まりやすいか」など、購買心理を高めるリアルな演出として、家具が暮らしの中でどのように機能するかを、来場者がより具体的にイメージできる空間づくりを実現しました。


DCA日本校と同様に、台湾でも企画書の作成・プレゼンテーション・ステージング空間の具現化を実施し、その成果をもとに評価基準を満たした方へ「ホームステージングコーディネーター」ライセンスを授与しました。今回ご参加いただいた台湾の受講生全員が基準を達成し、ライセンスを取得。台湾でも新たに「ホームステージングコーディネーター」が誕生しました。今後のみなさまのご活躍を心より楽しみにしています。


今回ご参加いただいた皆さまは学びの意欲が高く、日本のライセンス取得に大きな期待を寄せてくださいました。修了証書授与後に伺った受講生の声をご紹介します。
Aさん(デザイナー)
台湾にはライセンス制度がないため、信用性の高い日本のライセンスを取得したいと思い参加しました。参加してみて、深い知識とテクニックが学べ、すぐに仕事に活かせると感じました。
Bさん(フラワーデザイナー)
「花の知識を活用して仕事の幅を広げたい、新しいチャレンジとして参加しました。今まで経験のなかったプラン提案やプレゼンテーションのスキルは、今後の仕事に必ず活かせると感じています。
Cさん(不動産関連)
日本のデザインや理論に興味があり参加しました。専門分野ではありませんが、学んだ内容を自分の不動産販売の現場でもチャレンジしてみたいと思いました。
JDCAが提唱する〈ホームステージングコーディネーター〉(商標登録:第2021-048033号)は、VMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)の視点から、住空間に特化した空間装飾を企画・構成し、具現化できる専門職能です。住空間における提案を行い、お客様の心を掴む演出で購買へと導くことができます。
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1981年に台中で設立された、造花と花藝資材を扱う専門店【台中建南行花藝資材は、】。横浜ディスプレイミュージアムと同様に、フラワーデザイナーやクリエイターに向けて、花器・グリーン・ラッピング資材など多彩な商品を展開しています。
2025年の新店舗移転により売り場がさらに拡大し、花材・資材に加えて雑貨など横浜ディスプレイミュージアムのアイテムが豊富に揃う店舗へと進化。台湾(台中)でプロの現場を支える貴重なショップとして、より充実した品揃えを提供しています。
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台中建南行花藝資材はものづくりを支える専門店として、台湾でも注目されています。台湾でもグリーンディスプレイの人気が高まるなか、移転後は、広い店舗空間に多彩なグリーン装飾の事例を展示。クリエイターの表現を広げる豊富なアイテムが揃うショップとして、その存在はさらに広がりを見せています。
移転後は、店舗やオフィスなど空間装飾のご依頼も増えているようです。台中建南行花藝資材の社長MAXSさんは「台湾全土でのグリーン装飾の高まりを感じている」と話し、その広がりを日々実感している様子でした。


新店舗は家具メーカーのショールームに併設されたことで、住空間装飾への取り組みがさらに強化されています。台湾では家具のショールームでの演出装飾は通常していないようで、家具と相性の良い花やグリーンに加え、横浜ディスプレイミュージアムの雑貨や演出アイテムを豊富に導入したことで、ショールーム自体が空間スタイリングを提案する場へと進化しました。家具購買へとつながる新しいビジネスモデルを築きつつあるようで、日本同様に心地よい住空間を提供できる場として今後もさらに展開が広がっていく予定だそうです。

家具メーカーのショールーム内に台中建南行花藝資材が併設されたことで、日本国内でも需要が高まる “空間装飾ができる人材” の育成に取り組みたいという要望を受け、JDCAが展開する「ホームステージングコーディネーター」スキルを備えた人材育成とのコラボレーションが始動しました。
商品販売だけでなく、資材を活用した空間装飾までを提案できる店舗として、横浜ディスプレイミュージアム本店とともに「ヒト・モノ・コト」をつなぐ新しい価値づくりにも取り組んでいます。こうした土台をもとに、台湾のディスプレイマーケットへ向けた新たなチャレンジが、ゆるやかに動き始めました。
新たに横浜ディスプレイミュージアムとJDCAが共同開催した「ホームステージングコーディネーターライセンス取得講座」も好評のうちに修了し、台湾では初となるホームステージングコーディネーターが誕生しました。
この流れを受け、2026年も引き続き、JDCAの専門性の高い学びと実践スキルを届ける場として活動を広げていきたいと考えています。
