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ディスプレイをする仕事

ディスプレイクリエイターの仕事


JDCA講師 大啓二

2014年に新設されたテクニカルレッスン「フラワー」で講師を務める舘美奈子さん。空間をデザインするフラワーディスプレイクリエイターとして今をときめく舘さんは、かつては出版社に勤務するOLだった経験も。そんな舘さんを花の世界へと導いたものは?「たまたま立ち寄った工房で見たドライフラワーです。あの自然美に、ただただ圧倒されてしまい、気づけば、長野の工房へ週末ごとに通う生活が始まっていました。」その後、更に興味が深くなりフラワースクールのディプロマを取得。アレンジメント講師やブライダルの仕事を始めた時に目にしたフラワー情報誌に、「オランダ留学の掲載記事がありまして。目にした瞬間、これだ!オランダだ!」と思いついたらまっしぐら。オランダで世界的に有名な「ブールマインスティテュート」でディプロマを取得します。「花大国オランダは、花と共生している国。家の中に花を飾ること、それは特別なことではなくて、普通に家族のように花と生活しているんです。そんなオランダでの経験が、花と空間をデザインするクリエイターと導いてくれました。」今回は、ショールームも兼ねているオフィスにお邪魔して、クリエイターのワークスタイルを覗かせていただきました。

さまざまなイベントや展示会をはじめ、ファッション・ブライダル空間でも花とコラボした空間デザインを手掛ける舘さん。「アレンジメントを作成するとき、誰のために、何のために、そしてどこに置かれるのか。そもそもの目的を明確にし、その先を想像しながら作ります。花は主役ではなく、あくまでその場を魅せるための小道具だから。」空間装飾によく登場するのが、やはりアーティフィシャルフラワーや自然素材。「生花と違って現場では扱いやすいので、空間アレンジに向いているんです。」オランダでの経験が、素材の特性とデザイン・アレンジメントとして活用されているそう。自然との共生感覚とうまくコラボされていますね。

「日本ではあまり目にしないオランダの文化や、ライフスタイルをもっと知ってもらいたくて。」ショールームも兼ねているオフィスは、キャンドルのやさしい灯りと柔らかな照明で、間接照明等で暮らしを楽しむオランダの室内を演出。直輸入している花器やアーティフィシャルフラワーなどのアイテムをはじめ、椅子やテーブル、ウォールパネルなどの家具にいたるまで、ここはオランダ?と錯覚に陥ってしまうほど。「無駄のないオランダの人の生活は、色へのこだわりが強く、空間にそぐわないものは、目に付くところには出さない! 置かない! といった徹底ぶりです。」そんなシンプルなこだわり気質は、舘さんの仕事に対するひたむきさと似ています。

園芸産業最大の国際園芸見本市IPMや,オランダで世界最大級といわれているアールスメールなどの花市場に足を運びリサーチに余念がない舘さん。「毎年流行する色はもちろんのこと、花の形や種類、球根のパッケージデザインなどの変化が楽しみ。新しいグッズも続々登場します。見本のディスプレイも迫力満点で、『あ、次はこれが来るな』と、花大国ならではの世界規模のトレンドをいち早くキャッチできるのでとても勉強になります」先を見る力もクリエイターにとって重要です。

ディスプレイの世界において、重要な役割を果たす“花“。舘先生の授業では、ただ花を飾るだけでなく、空間とコラボして“花を生かす“ための空間とのトータルコーディネートを学びます。「花と目の前のモノしか見ていなかったその目線を少し上げてみる。視野を広げ、空間全体をとらえることが大切です。なんて言葉で言うのは簡単なんですけど、これがなかなか難しい。私も日々勉強です」。初心を忘れず原点に戻る。ドライフラワーと運命の出合いをしてから、これまで出会った人・モノ・コトすべてが一期一会だという、等身大のクリエーターは言います。「私も普通のOL からさまざまな運命の出会いがあって今があります。新しいことを始めるのって、色々考えちゃってなかなか勇気が持てないけれど、やってしまえばあとは突き進むしかない!はじめの一歩を踏み出す勇気をもって、自分を切り開いて!」キラキラと華やいだ表情が印象的でした。

 

この記事は2015年5月に取材したものです。

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