Vol.5 フラワーディスプレイのお仕事

 

JDCAのスクール講師、またプロに向けたフラワーデザイン講習会の講師として活躍中の本間るみ子さんですが、講師としての活動は、実はほんの一部なのです。
主には、花という素材をさまざまな空間に落とし込むフラワーディスプレイデザイナーの顔を持ち、またその素材の開発までも手がける、言うなれば花装飾のスペシャリスト。
今回は、普段なかなか知ることのないフラワーディスプレイのお仕事現場、またちょっと気になるプライベートな時間にまで押しかけて、フラワーディスプレイデザイナーのライフスタイルをレポートしました。

 

本間 るみ子
フラワーディスプレイデザイナー 、JDCA講師


英国でフラワーデザインを学ぶとともにフローリストにてアレンジャーとしての経験を積む。現在は国内外のフラワーデザインの情報収集・トレンド発掘を通じ、時代に沿ったフラワーデザインとアーティフィシャルフラワーを開発。株式会社ポピー ディスプレイスタジオ ディレクター、フラワーデザイン講習会講師。

ここではディレクターとして制作指揮をとっています。スタッフは年代も近い女性ばかりなので、いつもアットホームな空気に包まれています。華やかな世界の裏方はやっぱり体育会系ですね(笑)。チームワークの良さも自慢です!仲間にいつもサポートしてもらって、本当に感謝しています。

毎日のようにお客さまや社内の各部署と打合せが入っています。いろいろな業界や世代の方たちと向き合ってコトを決定していくのですが、意思疎通がうまくいかない場合もよくあります。でも根気よく、お互いが納得してから進めることが、結局は一番効率的で効果的なんですよね。

授業ではフラワープロップスを担当しています。プロップスとは(=小道具)という意味。販促用に使用されるフラワーアレンジを制作します。一方、業務会員限定の講習会では、教材用アレンジをご提案しています。いろいろな制約のもとにデザインを起こしていくので、いつもギリギリまで悩みますね。

 

カタログ用のアレンジ撮影にも同行します。フォトスタジオでは分刻みの進行でスタイリングをこなしていきます。写真の構図によって花のスタイリングも全く異なるので、カメラマンとの相性も大切なんですよ。あ、あとはスタッフの晴れ女(男)率も大事!花の撮影に、お日さまは貴重ですからね。

アーティフィシャルフラワーの商品開発のため、年に何度か香港や中国に出張します。アーティフィシャルの生産技術は年々進化していて、フォルムも色彩も繊細な表現が可能になっているんですよ。空間によって相応しい花材をチョイスするのもディスプレイにおいて大切ですね。

 

支店開催の講習会や現場直行の日は、愛車で向かうこともよくあります。この車はもう10年くらい乗っているのでとても愛着があります。コンパクトですがトランクルームは広いので便利なんですよ。運転は得意な方だと思います。花屋時代にはハイエースなども乗り回していましたから(笑)。

かわいらしいメジャーは生徒さんからのいただきもの。手製のものもあってどれも愛着があります。ハサミ&ナイフは全てオランダで購入しました。柄がオレンジのものは小ぶりで軽量なので携帯に便利ですね。鉄の鋏はワイヤーのまとめ切りもサクッと切れる優れもの!ずっと愛用しています。

 

知人からプライベートな制作依頼も受けます。お祝い事がやはり多いですね。英国から持ち帰ってきた花の洋書はかなりのお宝もの。定期的に読み返してはイメージをめぐらせる時間をとっています。本屋さんでも素敵な洋書を見つけるとすぐに購入してしまうので、どんどん増えるばかりですね(笑)。

 

草花が好きな母と一緒にガーデニングを楽しむ時間を大切にしています。土や根っこをいじりながら、その温度や香りの感覚を体に吸収するんです。とても癒される時間ですね。イギリスでは庭や公園にとにかくたくさんの種類の植物が咲いていて、そこから摘んできたものをアレンジしたりするのが日常なんですね。よそのお庭でも「花を勉強しているのですが、このお花いただけますか?」なんて声をかけると、喜んで花を分けてくれるんです。素敵な文化ですよね。

主人が料理人なので、キッチン道具のこだわりは全てお任せです。最新の調理機器は精密すぎて私にはついていけません・・・。普段は仕事が早く終わった方が夕飯をつくる、というルールの元、連携をとっています。料理やワインをふるまうのが夫婦そろって好きなので、休日にはよく友人を招くんです。時々ウケを狙って玄関先に赤ちょうちんを下げてお迎えするんですよ(笑)。ご近所から「お店始めたの?」なんてビックリされた事もしばしば(笑)。ゲストに喜んでもらうためのおもてなし術を考えるのも楽しいですね。料理はとてもクリエイティブな脳トレだと思うんです。頭すごく使いますよね。デザインワークに煮詰まると、料理を始めることも多いですね。芳香な香りに包まれながら美味しいものを食すことは、五感が刺激され、豊かな感性を育むことにつながるような気がします。

 

 

花の表情を楽しんでいます

光あふれる設計にこだわった自宅には花を飾るスペースをあちこちにつくりました。朝と夜では光彩が変わるので、花の表情も変わるんですね。季節ごとの変化も楽しんでいます。

 

 

実用主義?ハーブであふれる庭

お料理に欠かせないハーブはなるべく庭で育てています。ローズマリーは垣根になるくらい大きく育つ種類のものをたくさん植えました。需要と供給を庭でまかなっています(笑)。成長が待ち遠しいです♪

 

 

(2013年4月取材)

 

 

 

 

 

ページトップへ戻る

All rights reserved copyrights. (c)2008 Japan Display Creator Academy